2016年07月31日

木の家スクール名古屋2016第3回フィールドワーク

昨日は、木の家スクール名古屋2016第3回フィールドワークでした。
岐阜県加子母にある「かしも明治座」に行って来ました。

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昨年、修復工事を終えた「かしも明治座」ですが、
120年前のクレ葺き屋根に復元され、耐震改修工事も行われています。

講師は、改修計画で構造設計を担当された川端真先生です。
非常に興味深く、面白かったです。
建物は劇場ですが、木の家に参考になる話が満載しているように感じました。
時間が無くて、ちょっと短目になってしまって残念でしたが、
建物を管理されている地元の加藤さんのお話も面白かったです。

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この「かしも明治座」は、地元の120戸の住民が、みんなで協力して創建したようです。
建築工事では、住民が無給で手間を提供していたそうです。
決して卓越した職人の技を結集したような建物ではありません。
その当時、汎用的に普及していた職人さんの技で造られています。
でも、すごく魅力的な建物です。
木の技も、木の良さも、みんなのものすごく親近感を感じます。

舞台と客席との空間構成は、優しさを感じます。
2階席、楽屋、そして舞台脇の下座廻りの空間も、なんだか愛着を抱かずにはいられません。

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岐阜県加子母地域は、ヒノキの故郷とも言える場所です。
しかし、かしも明治座には、基本的にヒノキが使われていません。

江戸時代は、幕府により、ヒノキに対して、民間人の伐採制限が厳しく管理されていたそうです。
木を1本伐ることや枝を1本切ることでさえ、命に関わることだったようです。
かしも明治座が建築された明治27年当時は、既に伐採制限はなかったでしょうが、
そういう管理を経験してきた人たちは、やはりヒノキを使わなかったようです。

ちなみに、柱にケヤキらしき材が使われていますが、
今では高級仕様ですが、その当時は雑木扱いであったろうとのことでした。

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客席両側の桁材は、丸太一本から二つ割の共材となっています。
曲り具合も木柄も、対称形のモミの木です。
桁の端部は、それにしてもすごい鼻栓となっています。
モミの木は、柔らかい材です。
私のイメージでは、モミの木はカウンター材ですので、梁桁材は正直以外でした。
でもこれが木の可能性なんだと感じました。

モミの木の柔らかさのため、柱との仕口部では、5cmほどめり込みがあったそうです。
もちろん、それも今回の修復で補修済みとなっています。
120年以上を経て、そしてまた、未来に続く財産となっています。

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石場建ての柱は、いたるところで腐植と沈下が起きていたそうです。
今回、修復で、全て根継ぎにより直されてます。
この辺が木造のすごいところです。
直されたところも含めて、未来につなぐ財産です。
でも、ここでやはり大事なのは、職人さんの仕事です。
技の継続があってのことです。

歴史的建造物の現代の改修では、構造的配慮は、設計にしても、施工にしても
携わる人の姿勢と思い、そして知見が大切なのだと、改めて実感できました。
posted by 青木正剛 at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月11日

みえ木造塾2016第2回講座

既に1週間以上経ってしまったのですが、
先々週の土曜日に、みえ木造塾2016・第2回講座がありました。

講師は、無有建築工房の竹原義二先生。
会場は、三重大学内のレーモンドホールです。

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遅刻してしまい、近鉄江戸橋駅から急いで歩いたら、間違って正門へ。
そこからレーモンドホールのある南門まで、遠い遠い。
三重大学恐るべし、なんと広いのか。

当日は、折しも真夏日。
初っ端なから、暑い講座です。

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暑い中、本当に熱い講座でした。
竹原先生の話、面白かったです。
建築業界の情勢に疎い、というか勉強不足の私は、
竹原先生と言えば、精悍な黒い衣装に黒いハットのいでたち、だったのですが、
黒いシャツは着てみえるものの、ラフなシャツ。
その上、黒いハットと+αを外してみえて、
しゃべる感じは、大阪のおっさん風、何ともお茶目で魅力的でした。

ご自分のお歳のことも話されてましたが、若いエネルギーを感じました。
建築に携わる者は、熱意を失ってはいけないなと、改めて感じました。

無垢の木と伝統の技に敬意を払いながら、普通ではない斬新な建築空間を創造されてみえます。
熱意が無ければ到底成就しない仕事だと感じました。

私は、普通の建物を、綺麗に心地良くつくる、ということを基本としています。
でも、遊び心は、忘れてはいけないのかもしれない、と感じさせていただいたような気がします。

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レーモンドホールも、良かったです。
切妻屋根の平屋で、とてもシンプルな構造。
軸組自体も、空間を演出しています。
モダンと伝統の木組みが融合しているように感じました。
posted by 青木正剛 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月14日

みえ木造塾2016第1回講座

この前の土曜日ですが、
みえ木造塾2016第1回講座でした。

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私は、昨年は都合がつかず、お休みでしてしまったのですが、
復帰しても、顔見知りが多いのが気が楽なところ。
私にとっては、木の家の勉強会に励むようになった原点の勉強会です。
オタク感というか、空気感が好きな勉強会です。
集まる方々の顔を見ているだけで刺激になります。

その日は、個人的には勉強会のダブルブッキングで、
ちょっと、残念感も満載でした。

今年のの第1回講座は、
「大工道具とものつくりの心」〜匠の技と知恵〜

講師は、竹中大工道具館館長の赤尾建藏氏。

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手仕事の道具の話、そして、その道具を作る職人さんの話、面白かったです。
道具の素晴らしさを追求するだけでなく、
それを作る職人さんたちへの敬意が感じられて、
余計に手仕事に惹きつけられました。

竹中大工道具館の紹介もあり、ぜひ、行ってみたいと感じました。
展示はもちろんですが、建物も、やはり面白そうです。
やはり、体感しない訳にはいきません。

手仕事の道具は、全体的には絶滅危惧種と言っても過言ではありません。
俗に言うレアなものは、既に職人さんが、いなくなったものもあるそうです。

建築士に何ができるのか?
やはり手仕事の設計をする。
できるだけ設計に取り入れる。

木の家づくりに携わる建築士として、頑張らねば。
posted by 青木正剛 at 21:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする