2016年11月05日

木の家スクール名古屋2016第5回

一週間前のことになりますが、10月29日は、今年度最終講座でした。
前半は、オークビレッジ代表の上野英二先生。
テーマは、「日本の建築」です。

後半は、建築技術史研究所所長の渡邉晶先生。
テーマは、「大工道具と建築・文明・地球環境との関係を探る」です。

上野先生の講座は、過去にも何度かお聞きしておるのですが、
オークビレッジに入る成行や、
伝統構法の木造建築に取組むきっかけのお話は、初めてお聞きし、新鮮でした。

オークヴィレッジ創設者の稲本さんとの出会いは、
展示会に出かけ、家具を見ていたところに、声を掛けられ、
オークヴィレッジの設計に携わるようになった、という話は、非常に興味深かったです。

若い時の興味や行動、そして判断など、
何か、稲本さんを惹きつけたのだろうと、感じました。
才ある人は結果を残す前から何か違うのだろうなあ、と、しみじみ感じてしまいました。

オークヴィレッジというと、伝統の技を駆使して、
一見木造では難しそうな独創的な建築空間を生み出されて来ましたが、
最近は、古建築の改修に惹かれているそうです。
高山近辺は、古い建物も多く、継続性のある仕事になっているそうです。

名古屋で、石場建ての住宅があったり、京都の店舗の仕事があったり、
相変わらず、巾広いお仕事をされてみえました。

改修物件から新築物件も含め、最近の実例写真を見せていただきましたが、
相変わらず「さすが」という印象。
綺麗で魅力的でした。

私も、日本の伝統の技を使い、もっともっと魅力的な家づくりがしていきたい。

渡邉先生のお話では、道具の違いから継手仕口の違い、
そして構法の違いまで、日本と海外の比較は、面白かったです。

海外は堅木で固くするのに対し、
日本は柔らかい針葉樹で、貫などの柔構造が特徴的。

道具も使い方も造りも各国様々。
環境なのか、人の性格なのか?
道具も技も様々、面白いものです。
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2016年09月19日

みえ木造塾2016第4講座とオプション企画

既に10日ほど経ってしまいましたが、
9月10日に、みえ木造塾2016第4講座がありました。
講師は野池政宏先生。
テーマは、「パッシブデザインの実践的解説」です。
省エネから地域型住宅を考えます。

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「冬暖かく夏涼しく自然光で明るく」
パッシブのベタな言い方です。

断熱・自然風利用・日射遮蔽・昼光利用・日射熱暖房。
地域立地に応じて、5つの要素の最適解を求めます。
それがパッシブデザインです。

無垢材・自然素材の家づくりを目指す者としては、
2020年の以降の省エネ義務化意向を見据えた、
本物のパッシブデザインを勉強していかねばと、改めて感じました。

第4講座の午前中は、オプション企画でした。
塾生から運営委員まで含め、有志18名が参加がしました。
3枚の実例写真を持ち寄って、発表と質疑応答です。

工務店・大工さん、建築士から材木屋さん、そして林業家まで、
木造住宅と木に関わる様々な方々が集まりました。

マニア度が高い勉強会ですので、さすが、みなさん語ります。
5分の発表と2分の持ち時間は、押しまくりで、途中から巻いて巻いてでした。

どなたの発表も質が高い。
実務の勉強としては、これ以上ない刺激です。

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今回、一番の印象敵だったのは、松坂市飯高町の叶林業さん。
女性の林業家というだけも、貴重だと思うのですが、
混合林や、カシなどの広葉樹の造林に取り組み、
三重県では珍しいアスナロに取り組んだりしてみえます。
アスナロは、能登のアテ材と言った方が、解り易いかもしれません。

オプション企画修了後、一位樫のサンプルを見せていただきました。
30年ほど前に、お父さんが自分の山に山植林されたとのこと。
商品化としては、これからだそうですが、魅力的な材になりそうです。

木の家の中に、どこかにちょっと広葉樹がある。
そういう使い方で、とっても色気のある家になります。
叶林業の木が、なんだか楽しみです。

杉・ヒノキは、当然良いのですが、
私としては、広葉樹やアテなどの針葉樹も、家づくりの色気として、
もっともっと広がればと良いなと思っています。

こういうオプション企画は、家づくりの可能性を考える大きな体験です。
家づくり、「自分はもっと頑張らねば。」と、強く感じた次第です。
posted by 青木正剛 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月11日

みえ木造塾2016第3回講座

先週の土曜日は、みえ木造塾2016第3回講座でした。
会場は度会郡大紀町の「ひのき家」さんの会議室。
「ひのき家」は、林業家の吉田本家さんが営む薪ストーブ屋さんです。
ちなみに、うちから、片道、車で130kmほど、なかなかの距離です。

講師は、ナグモデザイン事務所の南雲勝志先生。
テーマは、「記憶をつくり未来に繋ぐデザイン」で、
〜人と人とを繋ぐ杉の魅力とまちづくりの可能性〜
というお話をお聞きしました。

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デザインに配慮しながら、杉のインパクトのある活用と、
まちの人を巻き込んで意識を高める、その手法はさすが、と感じました。

私なんか、地域材の杉やヒノキを当たり前のように使って家づくりを継続しているものの、
どうも、インパクトが演出できていないんだろうなあと、痛感しました。
ま、もっと、デザインを高めていかないといけないという課題も、私にはありそうです。

今回は、オプション企画付でした。

夜は、宿泊先の「噺野」さんで懇親会。
豚肉と鹿肉のバーベキューは、美味しかったです。
地域材活用をしていると、ジビエ料理は、未来への大きなテーマだと感じます。

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翌日は、朝から、吉田本家さんの山林を見学しました。
先に、近くの放置林も見学したのですが、
管理されてる山と放置された山、その差は歴然です。
放置された山は、陽の射さなくなり、土地が痩せて、
地表には、養分のある土は、流されて無くなっています。
そして、立ち枯れが起きたり、自ら倒れてしまう木が続出しています。
最初、切捨て間伐かと思いましたが、痩せた根を付けたまま、自ら倒れています。
それに引き換え、管理された山は、シダが青々と地を覆っています。
シダの根元には、養分ある土が残り、木や植物を豊かにしています。
鳥や虫の生息にも大きな影響があるらしく、生物の多様性にまで影響しているそうです。
人工林の管理の大切さを、まざまざと感じました。

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その後は、吉田本家さんの旧熊野街道に面するご自宅を、見学させていただきました。
明治期と昭和初期に建てられた切妻屋根の妻入のお宅です。
道路側のスペースは、一時は銀行としても使われていたとのこと。
今は吉田本家さんの事務所として使われているそうです。

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応接室やお座敷から客間、そして仏間まで見学させていただきました。
良い木材で良い仕事がされています、品も良くセンスも良い住宅です。
その造りの良さに感動しました。
まさにお金持ちの住宅と言えるのでしょうが、すごく好感を感じながら拝見できました。
案内役のご当主の人となりが影響していたのかもしれません。

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最後は、杉とヒノキの苗床も見学しました。
山から利益を得にくい時代、植林費用など出ない、と言われる時代です。
今の時代に、山を皆伐して植林する。
吉田本家さんの、その思い入れに、触れさせていただくことができました。
posted by 青木正剛 at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする