2016年12月08日

WSき組神戸見学会2・浄土寺

箱木家の後は、浄土寺の見学です。
東大寺を再建した重源上人が起こしたお寺です。

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1192年に創建され、解体修理が始まる昭和32年まで、
約770年の風雪に耐え、一度も解体されずに持ちこたえてきた建物。
配布チラシの中に記載がありますが、まさに、偉大です。

東大寺南大門と共に、全国にただ二つしかない大仏様(天竺様)とのこと。

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内部は撮影禁止なので写真はないのですが、木組みが洒落ています。
朱塗りされていることもあり、まるで現代アートの様相です。
木組み表しが、とても魅力的です。
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2016年12月04日

WSき組神戸見学会1・箱木家住宅

ワークショップき組の有志で、神戸にある箱木家住宅を見学しました。
「千年家」と呼ばれる、おそらく我が国現存最古の民家です。

WSき組理事長も務められる松井先生の解説付きでの見学です。
最古の民家実物を前に、貴重な時間です。

ダム建設により水没するのを免れて、
旧位置から70mほど東南の造成地に移築されているそうです。

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移築さる時に、江戸時代ごろから繰り返された増改築の建物から、
古い2棟の建物を分離して、復元再築されているそうです。

古い方の建物は、経年が長くて、細かい点については、不明な所も生じているようです。
最初の材が残されていたのは、
おもての間の柱6本と、梁桁の類8本に留まっているようです。
展示では、今後の考察も可能なように、
古い仕事の痕跡を埋めないで、そのまま見られるようにされています。

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建築当時としては、箱木家は部落の中心的な家柄であったようです。
権力を持つ方の家で、当時では相当豪華な仕様であったことと思われます。
俗にイメージする庄屋さんなどの太さや豪華さを誇示したような材、
ではありませんが、歴史を積み重ねた手仕事による素材、その存在感に圧倒されます。

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また、特質すべきは、その美しさ。
外観のプロポーションも、非常にセンスの良い姿です。
内部の住空間も、木組み表しと、土壁や板類とのバランスは、秀逸です。
今に続く伝統の技と意匠の美しさを体験できました。
posted by 青木正剛 at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月13日

みえ木造塾2016第6回講座

昨日は、三重県林業研究所で、みえ木造塾の今年度最終講座でした。

前半は山辺先生の講義。
テーマは、中大規模木造建築物の構造設計事例として、
「地域材を活用した架構と空間」についてお話をお聞きしました。

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山辺事務所で構造担当された物件で、実例での解説には説得力があります。
解り易くて面白い木構造の講座でした。

地域材の有効活用について
大スパン屋根のトラス計画について
架構による価格管理について
トラスの引っ張り材圧縮材の別による仕口の止め方について
木造の綺麗なディテールについて
その地域の能力でできる仕様を考えることについて
使用木材のヤング係数と含水率の品質管理について

苦労されたところ、細心の注意を払うところ、
構造の先駆者として、構造の指導者として、
思い入れの詰まったお話をお聞きできました。

木造の化粧架構は、手間が掛かっても綺麗に造らないといけない、
という言葉は、心に染み入りました。

中大規模木造は、鉄骨造よりはるかに手間が掛かるようです。
でも、応力に配慮しながら、木造の綺麗なディテールを考えることは、
自分には、以外と性格的に合っているかも、と感じてしまいました。

と言っても悲しいかな、そういう物件の依頼は現状ありません。
私も住宅だけでなく、そういう物件もやってみたい、
と、久しぶりに、住宅以外に魅力を感じてしまいました。

後半は試験場に移り、山辺先生の立会いと解説のもと、実大実験です。
今年は、実大実験は、耐力壁2体です。

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試験体1は、柱にヒノキ板12mmの斜め貼りをしたもの。
試験体2は、通し貫を杉の厚板で挟み込んだものです。

実験結果の速報としては、1/120の特定変形角時の壁倍率は、
試験体1が2.4倍で、試験体2が2.57倍でした。

どちらも1/15の最終変形まで耐力は落ちず、大きな損傷もありませんでした。
どちらも、粘りを重視した耐力壁であるものの、耐力も上々でした。

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試験体2は、私の案が採用されたのですが、
28mmの通し貫に両側から30mmの縦板を挟みこみました。
柱の通し貫部は、平行楔入れで、貫と縦板の交点部は、釘4本打ちです。
めり込みと釘のせん断を期待した粘り強さ重視の耐力壁です。

外壁部を土壁にした時の乾式内部間仕切りに使えないかと、
新建材でなく地域材だけで耐力壁を構成してみました。

大きな変形角でもあまり損傷は出ないだろうと、事前予測はしていたものの、
耐力発揮については、出来過ぎで、ちょっとびっくりでした。
製作を担当していただいた増田大工さんの丁寧な仕事あってこその耐力です。

めり込みの接点数がものを言ったようです。
山辺先生や運営委員の方々に褒めていただき、なんだか嬉しくなってしまいました。
posted by 青木正剛 at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする