2012年01月11日

木造3階建て

最近、都心部での木造3階建ての需要が多いと聞きます。
木造住宅の設計監理に携わる者として、ちょっと不安を覚えずにはいられません。

都心部では、狭い敷地をできる限り有効利用しようとして、
木造3階狭小住宅となってしまうのは理解できない訳ではありません。
問題は造り方です。
耐震上の配慮はしっかりできているのだろうかと、どうしても勘ぐってしまいます。
木造3階狭小住宅にしたくなる局面では、耐震計画と齟齬をきたす状況が出やすいからです。

木造住宅の場合、掛かる地震力は、2階と3階では、ものすごく違います。
軽い建物での、建築基準法での必要壁料(cm/u)では、
平家建ての場合、1階:11
2階建ての場合、1階:29、2階:15
3階建ての場合、1階:46、2階:34、3階:18
必要壁料の数字の増え方を見れば、階が上がることの不利さは、想像がつくと思います。
さらに、安心を求めて、耐震等級を2や3に上げようとすれば、
上記の1.25倍以上、1.5倍以上の壁料が必要となってきます。
なおかつ、バランス良く耐震壁を配置しなくては意味がありません。

狭小の間口の狭い総3階建てなら、1階の短辺方向は、相当料の壁が必要になるはずです。
必要壁料とバランスに配慮した間取りにできているのでしょうか。
耐震への余力の配慮はどうでしょうか。
構造より間取り優先は禁物です。

現代の造りでは、通常の設計と施工がされていれば、
日常的な軸力や、中規模程度までの地震では、まず倒壊するようなことはないでしょう。
ただ、今は、大地震への備えを喚起されている時期です。

私は、住宅は木造が良いのではと思っている設計者ですが、
狭小住宅の3階建てで、1階の壁料配置が厳しい状況下では、
構造計画上、重量鉄骨のラーメン構造も検討すべきだと思います。

木造ラーメンという構造体もありますが、
狭小での短辺方向が1スパンでは、構造体としては、付加が大きくなりがちです。
無理せず、重量鉄骨ラーメン構造の方が無難のような気がします。

設計者の端くれとして、いろんな構造体の可能性を否定する気はありません。
耐震計画・構造計画に、きめ細やかな配慮が行き届いた家づくりであってほしいです。
posted by 青木正剛 at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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