2017年01月31日

木塾2016第4講座

先週の土曜日は、木塾2016第4講座でした。
テーマは、「設計者として、経験と勘に頼らない木構造」
講師は、岐阜県立森林文化アカデミー准教授の小原勝彦先生です。

建築は、経験が大事な業界ではありますが、現代の建築は常に進化しています。
中でも、構造は、法規制の改正も含め、以前とは大きく変化してきています。
そんな状況の中、最近の頻発する大地震の被災状況の報告も含め、
木構造全般を、法規制や事件結果を踏まえ、
構造検討と計算根拠の大切さを、解説していただきました。

プロとして、どのような姿勢で、どのように対応していくべきかを、
今一度考えなおす、良い機会となりました。

熊本地震の被災状況の解説では、旧耐震の建物だけでなく、
新耐震の建物でも、大きな被害を受けた事例が、複数報告されました。
また、新しい建物の中では、同じエリアでありながら、
外見上はほぼ無被害という建物もありました。
そういう状況を見ると、設計者は何を成すべきかは、非常に大きな問題です。

地盤・基礎から始まり、耐力壁・床構面、
そして接合部やプレカット仕口の強度に至るまで、
先生の長年の研究と実験結果によるお話は、実務に直結しています。

複数回地震による建物性能の問題では、
「一般の方は、複数回の大地震に対して、損傷防止を求めている。」
という評価をされてみえました。
法律が、大地震に対して、損傷防止ではなく、
安全に避難できることを規定していることからすれば、
本来は、大きな課題となる内容です。

私も、最近は要望が無くても、基本的に耐震等級3で構造計画しています。
さらなる余力の確保のため、敷地環境や地盤状況を正確に把握し、
+αの構造計画をしていきたいと感じました。

また、先生が研究開発に携われてきた制震ダンパーが、
奇しくも、最近の大地震で、その効果を確認することできたそうです。
その話は、非常に興味深かったです。
制震ダンパーは、大規模な基礎が絡む免震構法とは違って、
施工的にも、費用的にも、利用しやすそうです。
設計内容の条件や状況によって、対応していければと思いました。
posted by 青木正剛 at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

土壁の家の住み心地をお聞きして

一昨年の暮れに竣工した豊橋上野町の家にお伺いしてきました。
そこで、土壁の家に1年間暮らされた感想をお聞きしました。

調湿と透湿がテーマで、無垢材・自然素材に、拘った住宅です。
住まい方を思い描きながら、断熱性・耐震性・耐久性など、
長い時間を掛けて、お施主さんと仕様の検討を重ねました。

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外壁は、全て土壁を付けています。
土壁70mmに、パーフェクトバリア30K30mmを付加し、
外壁下地全面にモイスTMを貼っています。

屋根通気の垂木部と床根太部に、パーフェクトバリア30K60mm。
どちらも面材は不使用です。
施工上の漏気対策はしていますが、全く高気密住宅ではありません。

LDKから吹抜け・階段・廊下まで一体空間ですので、
冷暖房の負荷は大きい造り片となっています。

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夏は想像以上に良かったです。
窓を開け放し、扇風機2台をフルに使い、という条件ですが、
居間のエアコンは一度も付けずで、
寝室のエアコンを3日間付けただけ、とのこと。
すごく我慢しての結果でははいないそうです。
居間のエアコンは、住宅用の最上位クラスにしたのですが、
使わずでしたが、結果的には何よりです。

冬は少し課題もありそうです。
LDKにガス温水銅板方式の低温式床暖房設置してます。
本来24時間運転した方が安定した熱量が得られるのですが、
どうしてもガス消費量は増えてしまいます。
そこで、ガス代に配慮して、
なるべく低温で、時間を絞ってタイマー運転されています。
さすがに熱量が足りないので、輻射型の石油ファンヒーター1台を併用です。
ただ、これで温熱的には大丈夫とのこと。

解放型の内燃器具を使うのは、ちょっと気になるところでもありますが、
空気環境は問題無さそうです。
無垢材や自然素材と、調湿・透湿の仕様が、効いていそうです。

以前は、比較的新しい鉄筋コンクリート造のマンションにお住まいでしたが、
引っ越したら、娘さんの咳が出なくなったそうで、喜んでいただけました。

社会状況は、高気密高断熱で、土壁など追いやられた感がありますが、
土壁の住環境は、もっと見直しても良いように思います。
断熱性・気密性を上げる調節は、設計で可能です。
床下地や野地板に面材系を使用すれば、気密化を高めるのは容易です。
個人差があるところですが、面材類をそれほど気にされない方もおみえです。
Jパネルや接板の類であれば、接着材料は少ないですし、
最近の構造用合板は、仕上に利用する新建材より、臭いは少ないように感じます。
人によっては、使い勝手が変わる部分だと思います。

土壁は、40〜50mmにして、断熱材を厚くするのも一つの方法です。
外断熱という手もあります。
土壁は、厚む70mm以上必要な1.5倍仕様にこだわらず、
「素材としての特性を生かす」という使い方も、見直しても良いように思います。

仕様を検討すれば、温熱等級4の外皮性能0.87W/(uK)や、
ZEH基準の外皮性能0.6W/(uK)も、設計でクリアできそうです。

土壁の家が増えると良いなあ、と思わずにはいられません。
土壁にご興味があれば、ぜひお声がけください。
posted by 青木正剛 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月18日

あいち認証材で長期優良住宅

あいち認証材活用技術支援事業という設計の技術料に対する補助金なのですが、
豊川三谷原町の家で、タイミング良く取得できました。
年度内事業の補助金で、対象工事が年度内に完了報告まで必要で、
申込時に、補助金枠が残っていないといけませんので、結構運が要ります。

昨日は、その中間検査でした。
造作が進むと隠れてしまう部分がある構造材の検査です。

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合板類以外の木材は、全て奥三河産の杉・ヒノキを使い、
長期優良住宅の認定を取得した住宅です。
耐震等級は、等級3にグレードアップさせています。
地機材を活用した、性能の高い家づくりです。

構造用合板は他県産の地域材なので、オール国産材住宅です。
でも正確に言うと、製作建具にシナ合板を利用予定ですので、一部は外材利用です。
本当は4mmか5.5mmの県産材のヒノキ化粧合板が、あったら良いところなのですが・・・

もともと、普段から補助金に関係無く、地域材利用してますので、
補助金については、お施主さんにも還元予定です。
せっかくなので、あいち認証材の製作家具の予定です。
木の家らしい家具にできれば、と思っております。
posted by 青木正剛 at 21:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする