2016年11月25日

これからの耐震設計(木造住宅)

今年は震度6以上の地震が、熊本と鳥取で起きてしまいました。

どうも最近の大きな地震は、予期せぬ発生というイメージが強いです。
想定外という言葉を、ついつい使ってしまいますが、
想定という固定観念自体を、安全のために見直した方が良いのかもしれません。

耐震設計というものは、まさに法律で定めた想定の地震に対して、
建物が損傷しなかったり、倒壊しなかったりする設計です。

震度5強程度の地震力に対して、建物が、損傷しない程度。
震度6強から震度7程度の地震力に対して、建物が」、倒壊・崩壊しない程度。
というのが、建築基準法での耐震の目安です。

ここで一つ注意が必要なのは、震度7は上限が無いということです。
想定を超える震度7以上の地震は、全て震度7ということになります。
法律は、全ての地震を想定できているわけではありません。

法律の耐震要求(必要壁量)は、例えば壁量の規定としては、
充足率0.99は違法で、充足率1.00は合法です。
法律のラインは一本でしかありません。

ただ、実際の耐震力は、充足率1.00>充足率0.99という結果が絶対ではありません。
遍心率や床構面、梁伏計画や軸力の伝達など、
構造バランスが良くなければ、耐震力の高さは得られません。

建築基準法の構造基準の強化については、
今回も含め、大地震を経験する度に検証が行われてきましたが、
今回も、どうも行われないようです。

建築基準法の規定は最低ライン、とよく言われるところです。
ですので安心を高めるには、耐震設計を自分で意図することが重要です。

これからの耐震設計は、バランスの良い構造としつつ、いかに余力の設計をするか。

公の余力の指標としては、品確法の住宅性能表示の耐震等級2・3があります。
建築基準法のように強制ではなく、あくまで、利用は任意ですが、
国としては、建築基準法の強化よりも、そちらへ誘導したいようです。
(あくまで業界内の噂話ですが。)

耐震等級3は、余力の大きな目安であると思います。
地盤が比較的安定した土地では、それだけでも、かなり大きな担保になります。

また、プラスαの選択肢としては、今、制震装置が注目されています。
地盤が弱く揺れやすい土地や、より無被害に近い状況を目指す場合には、
大きな効果を期待できそうです。

もう一つ免震構造がありますが、鉄骨造やRC造に比べて
建物重量が軽い木造住宅は、コストの割に、効果が得難い側面があります。

制震装置は、一棟あたり数十万〜という、比較的小さな費用にも関わらず、
実大実験の結果や、大地震の被災状況の検証からも、大きな効果が見込めそうです。
ただいろんな工法が乱立ぎみです。
構造体との相性や施工性も含め、的確な選択をする必要がありそうです。
まず、耐震等級3の耐震力を確保した上で、
プラスαで制震装置を付加するという構造計画が良さそうです。

どういう耐震設計を意図するか。
そういう内容の耐震設計をするか。
余力の設計が大切です。
posted by 青木正剛 at 18:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 家づくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月20日

コーヒー豆の高級化

先日、いつものごとくPEGGY COFFEE BEANSさんに、豆を購入に行きました。
今回は、グァテマラ500g、ケニア100g、ブラジル100gの計700g。

今回のブラジルは、100g950円のちょっと高級品でしたが、
試飲させていただいて、美味しくて、ついつい買ってしまいました。
私はミルク入れる派で、真からツーとは言えませんが、
最近の高級豆はミルク無しで、全然行けます。
薫りが良くフルーティーで、めちゃくちゃ飲み口が爽やかです。

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お店の脇に置いてあるコーヒー豆の袋が気になり、
「最近は麻袋だけでなく、ビニール袋なんですね?」と、お聞きすると、
最近の豆は、精製され乾燥管理され、その後、輸送用に袋詰めされるそうです。
輸送中の湿気が大敵らしく、それでビニール袋になっているそうです。
麻袋の袋がありますが、その内側にもビニール袋だそうです。
そして、オークション品の豆は、どれも真空パック詰めだそうです。
写真の銀色の袋ですが、さすが高級品です。

なんだか、コーヒー豆の高級化が、どんどん進んでいる印象です。
香りやフルーティー感を生かすため、焙煎は浅目が主流になってきているようです。

昔のストレートコーヒーは、飲み口が正直きつかった。
私は、ミルクや砂糖を入れないと飲めませんでした。
そんな時、ペギー珈琲さんの焙煎を経験し、「飲みやすくて、美味しい。」
と、感じたことから、ずっとファンを続けています。
深い焙煎は、職人の技だと信じています。

私は、今でも、ミルクだけは入れています。
ですので、ブラックコーヒーは、どちらかと言うと苦手です。
でも、最近の高級コーヒーは、ブラック苦手が思い描くストレートコーヒーではない、
と感じずにはいられません。
もはや、「ブラック」という表現自体がずれているようにも感じます。

最近では、高級豆の類は、ペギー珈琲さんでも、浅目の焙煎にされています。
豆の個性を最大限生かそうとすれば、そうならざるを得ないそうです。
ちょっと、一ファンとしては、複雑な心境です。

と、私などが、そんなことを言っていても、しょうがないのですが、
コーヒー豆の高級化の波は、止まりそうも無い感じです。
ペギー珈琲さんは、毎年、現地へ買い付け旅行にも行かれていますが、
ペギー珈琲さんの話では、生産者の方々は、すごい努力をされているようです。
消費させていただく側としては、感謝していただく以外ありません。

しかし、費用が掛かるのも事実。
コーヒー通の方々に突っ込まれそうですが、私は、最近はネスカフェも併用です。
これはこれで、コーヒーを嗜好するきっかけで、学生時代からの慣れ親しんだ味です。
いろんな意味で、お手軽です。

高級化からインスタントまで・・・、選択肢の多様性は、ありがたいのかも。
posted by 青木正剛 at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 食べ物(嗜好品) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月13日

みえ木造塾2016第6回講座

昨日は、三重県林業研究所で、みえ木造塾の今年度最終講座でした。

前半は山辺先生の講義。
テーマは、中大規模木造建築物の構造設計事例として、
「地域材を活用した架構と空間」についてお話をお聞きしました。

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山辺事務所で構造担当された物件で、実例での解説には説得力があります。
解り易くて面白い木構造の講座でした。

地域材の有効活用について
大スパン屋根のトラス計画について
架構による価格管理について
トラスの引っ張り材圧縮材の別による仕口の止め方について
木造の綺麗なディテールについて
その地域の能力でできる仕様を考えることについて
使用木材のヤング係数と含水率の品質管理について

苦労されたところ、細心の注意を払うところ、
構造の先駆者として、構造の指導者として、
思い入れの詰まったお話をお聞きできました。

木造の化粧架構は、手間が掛かっても綺麗に造らないといけない、
という言葉は、心に染み入りました。

中大規模木造は、鉄骨造よりはるかに手間が掛かるようです。
でも、応力に配慮しながら、木造の綺麗なディテールを考えることは、
自分には、以外と性格的に合っているかも、と感じてしまいました。

と言っても悲しいかな、そういう物件の依頼は現状ありません。
私も住宅だけでなく、そういう物件もやってみたい、
と、久しぶりに、住宅以外に魅力を感じてしまいました。

後半は試験場に移り、山辺先生の立会いと解説のもと、実大実験です。
今年は、実大実験は、耐力壁2体です。

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試験体1は、柱にヒノキ板12mmの斜め貼りをしたもの。
試験体2は、通し貫を杉の厚板で挟み込んだものです。

実験結果の速報としては、1/120の特定変形角時の壁倍率は、
試験体1が2.4倍で、試験体2が2.57倍でした。

どちらも1/15の最終変形まで耐力は落ちず、大きな損傷もありませんでした。
どちらも、粘りを重視した耐力壁であるものの、耐力も上々でした。

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試験体2は、私の案が採用されたのですが、
28mmの通し貫に両側から30mmの縦板を挟みこみました。
柱の通し貫部は、平行楔入れで、貫と縦板の交点部は、釘4本打ちです。
めり込みと釘のせん断を期待した粘り強さ重視の耐力壁です。

外壁部を土壁にした時の乾式内部間仕切りに使えないかと、
新建材でなく地域材だけで耐力壁を構成してみました。

大きな変形角でもあまり損傷は出ないだろうと、事前予測はしていたものの、
耐力発揮については、出来過ぎで、ちょっとびっくりでした。
製作を担当していただいた増田大工さんの丁寧な仕事あってこその耐力です。

めり込みの接点数がものを言ったようです。
山辺先生や運営委員の方々に褒めていただき、なんだか嬉しくなってしまいました。
posted by 青木正剛 at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする