2016年05月30日

木の家スクール名古屋2016第1回講座

土曜日は、木の家スクール名古屋2016第1回講座でした。
今年の木の家スクールのテーマは、
「この先の木の建築のために、歴史と今を読み解く」とのこと。
個人的には、結構好きなテーマです。

私は、昨年は休憩でしたので、2年ぶりとなります。
今年も、通な方々が集まっている感じです。

前半は、網野禎昭先生(法政大学教授)
ヨーロッパの木造建築から「木と建築と社会」を考える

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ヨーロッパは、「石の建築」と言うイメージが強いですが、
実際には、木の建築の伝統が脈々と続いているそうです。
街の環境や社会状況から、木の建築の方向性は、
日本のそれとは若干違いはあるようですが、
木の現代技術と言う点では、日本よりはるかに先進国のようです。

ヨーロッパと聞くと、合理性に沿った技術を思い浮かべてしまいがちですが、
「ローテクで」未来に繋がる木造を目指しているそうです。

地域の木造は、大企業や量販メーカーが担うのではなく、
「地域の小さな建設会社が地域の材を使ってつくる。」
これ、何気ないことですが、材料費も製作費も工賃も、地域にお金が落ちます。
やはり家づくりは、こうでないと。

私は、木の家づくりは、地域や近場の材を使って、地域の小さな事業者がつくるべき、
と常々考えていますので、とっても勇気がもらえた感じです。
地域材を使った木の家づくり、もっと頑張らねばと思いました。

後半は、大角雄三(大角雄三設計室)
「民家に学ぶ」―民家のボキャブラリーで新しい建築を考える―

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民家のボキャブラリーで新しい建築を構築されてみえます。
モダンで美しい民家です。
遊び心も楽しい美しさで、感動的でした

デザインについては、バランスやディテールに配慮してやっているつもりですが、
どうも自分は、モダンな意識がまだまだ希薄過ぎなのかも?
と感じてしまいました。
これは、なんとかせねば。

今日は前半も後半も充実した勉強会でした。
刺激もたくさんもらえて、ほんと良かったです。
posted by 青木正剛 at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

東海圏減災研究コンソーシアム第3回シンポジウム

名工大で行われたシンポジウムに参加してきました。
テーマは、「熊本地震が警告する南海トラフ巨大地震対策の盲点」
岐阜大・静岡大・名大・名工大・豊橋技大・三重大が連携する
東海圏減災研究コンソーシアムが主催です。

非常に有意義なシンポジウムでした。
そして、ものすごいインパクトでした。
否が応でも興味を惹くというか、脳を揺さぶられる感じでした。
各大学の6人の先生方の現地に赴いての調査報告は、とても解り易く、
日頃の研究内容も加味した所見は、とても貴重なものでした。

後半のパネルディスカッションも非常に良かった。
そして刺激的でした。
コーディネーターをされた名大の福和先生のリードと突っ込みは素晴らしかった。
社会の役職を背負った人が、黙っていたいことまで露わにする。
その意気込みと凄み。
登壇された先生方の、普段では聞けないような率直な意見がお聞きできました。
6大学の取り組みに敬意を表したいです。

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大学や研究機関が、防災・減災、そして未来に向けての安全な街づくりに、
行政をリードしていけるのだと、実感することができました。
同時に、建築設計に携わる者として、責任と使命感を痛感しました。

各先生方の報告は、どの先生も興味深いものでした。

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名大の鷺谷先生の、「前震と本震」の話は、思わず、「え、そうなんだ。」と。
本震の定義は、一連の活動中の最大地震ということだそうです。
先日の本震の見直しの意味が、やっと解りました。
でも今回の震度7の2回の地震は、近接した断層が、それぞれ起こした大地震だそうです。
前震と本震という扱いになっていますが、2回とも本震という解釈ができるそうです。

断層と地震は切っても切れない関係とのこと。
把握できた断層には、万全の対策をつくす。
想定外と言う言葉を使わないで済む、唯一の方法なのかもしれません。

地震予測は、歴史的な頻度や調査データによって、パーセントが変えられています。
でも、大事なのは数字の大小ではなく、
断層が把握され、パーセントが小さくても、その可能性があるということだそうです。
いずれは起きることに変わりはない訳です。
相手は、自然。
いつ起こるか、完全な予測は不可能です。
だから、万全の対策が重要となってきます。

三重大の川口先生の「建築物の被害について」の報告は、
建築士として、今後の業務に、とても参考になりました。

また、静岡大の牛山先生の、「防災の1丁目1番地は、確かな耐震化。」
という言葉は、建築士の責任の重大さを、物語っているように感じました。
posted by 青木正剛 at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 勉強会・見学会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月05日

菅谷たたら山内菅谷高殿

もうちょっと前になるのですが、
島根県雲南市の菅谷たたら山内にある菅谷高殿を見学してきました。

名古屋から、新幹線とJR山陽本線特急やくもに乗り継いで、出雲市駅まで5時間ほど。
それから、菅谷たたら山内まで、車で1時間ほどは掛かるでしょうか。
名古屋からだと、どうも遠い場所です。

でも、まだ便は少ないですが、飛行機は早いです。
出雲空港と名古屋小牧空港の所要時間は、1時間も掛かりません。
早割予約を使えば、電車より安くなります。
今後は、近い場所に成り得るかもしれません。

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私は事前情報無しで、設計仲間について行ったのですが、とっても印象的な場所でした。
歴史のある建物とは思えないようなおしゃれな外観と、神秘的な内部空間。

立場柄、伝統構法の木造建築物を志向して、見学に臨むことが多いですが、
こちらは、伝統も、構法も、何もかも超越した奥深い印象でした。
たたら製鉄の歴史の深さのせいでしょうか?
それともたたら製鉄自体が神秘的なのでしょうか?

電気設備の無いローテクの製鉄が、
現在のハイテクな製鉄にも負けない技術を持っていたようです。
鋼や鋳物など、様々な品質の鉄が、この製鉄所で生み出されたようです。
様々な鉄の品質は、炭素含有量で決まるそうです。
そういうものが、人と自然の力だけで作られていたわけです。
門外不出の技術だったようですが、人間の創造力の怖さを感じてしまいます。

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建物は、外観も内部も素晴らしいです。
綺麗です。
そして、たたら製鉄のための建物であるということが、
余計に奥深く、神秘さを際立たせています。
木と土でつくられた空間のすごさを改めて実感することができました。
posted by 青木正剛 at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする